塗装工事の際、バルコニーのFRP防水の塗り替えもお薦めします
木造戸建住宅で塗装工事のお見積りを承ったときのことです。
バルコニーの下(1階)に部屋があるタイプで、
仕上げはFRP防水で施工されたバルコニーでした。
調査時のバルコニーは、ガラス繊維が表面に現れている劣化がかなり進んだ状態でした。
新築時の建築図面で防水層の下地は合板であることも確認出来ました。
下地の状態、FRP防水の状態を調査診断した結果、
ウレタン防水密着工法で改修することをご提案いたしました。
ウレタン防水の特徴
(1)弾性があり伸縮性に富んでいます
ウレタン防水はFRP防水と同じ塗膜防水の一種で、
弾性があり伸縮性に富んだ防水層を作ることが出来ます。
(2)メンテナンスが楽でトータルコストを低く押さえることができます
ウレタン防水は塗り重ねが容易に出来るため、
他の防水工法よりもメンテナンスが楽なことが優れている点になります。
トップコートの定期的な塗り替えを行うことで、
ライフサイクルコストを安く抑えることができ、
半永久的に確実な防水が期待できる工法です。
(3)耐久性は他の防水工法と同じ15年
耐久性については様々な意見がありますが、
ウレタン防水材料やシート防水材料のメーカーなどが加盟する高分子ルーフィング協会は、
どの塗膜防水あるいはシート防水も、耐久性は15年で変わらないと公表しています。
ウレタン防水で施工して建築基準法に違反しませんか?
ご主人様は戸建住宅会社に勤務しているとのことで、
建築基準法のことを心配されていました。
東京、埼玉、千葉、神奈川などの市街地(建築基準法22条)に建つ木造戸建て住宅は、
その屋根を不燃材で葺き、外壁は防火材料で張らなければなりません。
が、建築基準法にはバルコニー床の防火に関する規定はありません。
建築学会防火委員会の解釈によると、
バルコニーの下に部屋があるタイプのバルコニー床は1階の屋根と見なし、
不燃材で造るよう指導しています。
新築する際は上に記載の通りバルコニー床は不燃材を使用する必要があります。
今回は不燃材(FRP防水)上の表面の塗り替えです。
建物の外部の表面仕上げの塗装については、
心材(基材)が建築基準法を満たした材料、構造で作られている場合、
それらの表面の塗り替えに使用する材料(塗料等)の規定あるいは制約はないと解釈されています。
また、FRP防水の上に塗るウレタン防水の数種類は、
「飛び火認定」という国土交通大臣の認定を受けたものがあります。
これら大臣認定品を使用すれば、
火災時等の万一の際もご安心であることをご説明しました。