外壁塗装 寒い日でも塗装はできますか?A:気温5℃以下では塗装を行いません。
先日、外装全般のリニューアル工事を行っているお客様から、「寒い日が続いてますが、塗装工事は寒い日に行っても耐久性などに問題はありませんか?」とご質問を受けました。
弊社は公共工事の基準を守って工事を行っていること、公共建築工事標準仕様書(国土交通省発刊)には気温5度以下の時は塗装工事を行わない旨が書いてあることなどをお話ししました。
公共建築工事標準仕様書とは・・
公共建築工事標準仕様書は、国土交通省から工事を受注した建設会社が工事の施工にあたり、その品質や安全を確保するための守るべき基本的事項が記載されている施工基準書です。
多くの自治体は独自の工事標準仕様書を定めていますが、国土交通省発刊の公共建築工事標準仕様書を踏襲しています。

塗装工事は第18章に記載があり、施工管理の項に気温のことが書いてあります
塗装工事のことは、P241の共通事項から始まり、P261木材保護塗料塗りまでの全21ページにわたり施工上の注意事項など様々な記載があります。
気温が5℃以下の時、降雨のおそれがある場合又は強風時に、塗装工事を行わないよう書いてあるのは「18.1.6施工管理」です。
(以下、公共建築工事標準仕様書抜粋)
18.1.6 施工管理
(1) 気温が5℃以下、湿度が 85%以上、結露等で塗料の乾燥に不適当な場合は、塗装を行わない。
ただし、採暖、換気等を適切に行う場合は、この限りでない。
(2) 外部の塗装は、降雨のおそれのある場合又は強風時は、原則として、行わない。
(3) 塗装面、その周辺、床等に汚損を与えないように注意し、必要に応じて、あらかじめ塗装箇所周辺に適切な養生を行う。
(4) 塗装を行う場所は、換気に注意して、溶剤による中毒を起こさないようにする。
(5) 火気に注意し、爆発、火災等の事故を起こさないようにする。また、塗料をふき取った布、塗料の付着した布片等で、自然発火を起こすおそれのあるものは、作業終了後、直ちに措置を講ずる。

気温が低いと塗料の硬化は遅くなります
塗料の硬化速度は塗料毎に異なります。塗料のカタログなどに塗り重ねの間隔時間の記載がありますので、エイチペイントの塗装職人はその時間を守り施工を行っています。
一般的な塗料は、気温23℃の時の塗り重ね間隔が3~5時間程度のものが多く、下のカタログは日本ペイントの水性パーフェクトトップですが、窯業系サイディングの場合、塗り重ね時間3時間以上の記載があります。
気温が5℃の時の塗り重ね間隔の記載があるカタログは多くは無いのですが、このパーフェクトトップの場合は8時間以上とあり、指触乾燥(塗膜に触れた指に塗料が付かなくなるまで硬化した状態)時間は40分が必要との記載もあります。


陽当りや塗料の硬化時間を考えて、塗装場所や塗装最終時刻を決めています
エイチペイントの職人は、少なくとも指触乾燥状態で作業を終えることができるように、陽当りや風向き、塗料の硬化時間を考え塗装場所や塗装作業の最終時刻を決めています。
さっきまであっちを塗装していたと思ったら今度はこっちを塗装してると、時には、無駄な動きに見えることもありますが、健全な塗膜を作るための工夫、職人技なのだとご理解くださいますようお願いいたします。