新築住宅の瑕疵担保責任は何年ですか?
外壁からの雨漏りにお困りのお客様からのご質問でした。
品確法では10年です
品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)とは
品確法は2000年4月、新築住宅の瑕疵担保期間を強化し明確にして、
住宅の品質確保と住宅購入者の利益確保を促進する目的で制定された法律です。
住宅性能表示制度も一緒に導入され、性能表示された新築住宅の購入者は、
住宅ローンや火災保険等の軽減・割引を受けることが出来るようになりました。
瑕疵担保責任は、契約不適合責任に名称が変更になりました
2020年4月、民法の改正があり「瑕疵担保責任」という言葉が無くなり、
替わって「契約不適合責任」が定められました。
民法566条(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
民法の契約不適合責任期間は、「不適合を知ってから1年」と定めています。
物品を購入し、10年経ったときに不適合に気付いた場合でも、
その時点から1年以内は契約不適合の請求が可能です。
宅建業法(第40条)
宅地建物取引業者が自ら売り主となる新築住宅は、
引渡しから2年(以上)とする特約を認めています。
宅建業者は信頼できる売主であること、
預け入れている供託金があり、
万一、宅建業者が不誠実な対応を行った場合、
宅建免許取消しの罰則規定があることなどにより、
充分な抑止力があることからこのような特例が認められています。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=327AC1000000176
国土交通省公共工事標準請負約款
国土交通省は公共工事標準請負契約約款57条で、原則、引渡しから2年と定めています。
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001499463.pdf
建設業者も宅建業者同様、
免許取消しなどの罰則規定がありますので、
2年間に短縮する特例が認められています。
ただし、品確法に該当する新築住宅の契約不適合責任期間は10年です。
品確法が制定されて住宅新築の何が変わった?
住宅性能表示の評価項目は、地震に対する強さ、火災に対する安全性など10項目があります。
建物の劣化を軽減する工法や建材を用いると評価が高くなります。
サイディング外壁の張り方を通気構法で行うと、
建物劣化の軽減に寄与する評価を得ることが出来ます。
購入者は住宅ローンや火災保険の優遇を受けることが出来ます。
サイディングメーカーは通気構法を標準仕様にする方向に
大きく舵を切らざるを得なくなりました。
外壁や屋根からの雨漏りに関しては、
瑕疵担保補償は10年間とする規定も大いに影響しています。