外壁塗装時には、バルコニーの防水も一緒に工事するのがベストです
先日、外壁工事を行っていたところ、
バルコニーから雨漏りが生じていることが判明した戸建住宅がございました。
バルコニー下にはリビングルームがある間取りでしたので、
バルコニーの雨漏りを放置しておくと、危険であることをご説明しました。
バルコニーとベランダの違い
2階建て戸建住宅の場合、一般的に2階にバルコニーあるいはベランダがあります。
バルコニーは屋根が無い室外スペースで、ベランダは屋根があるタイプになります。
バルコニーは雨が直接当たる室外であるため、雨漏りの原因になりやすい場所でもあります。
バルコニー下に居室があるとなぜ雨漏りに注意が必要なの?
バルコニーの直下にリビングなどの居室(室内空間)がある場合、
雨漏りには特に注意が必要です。
理由は、バルコニーの下には建物を支える構造材があるからです。
特に2階床を支える胴差しや床梁などの重要な構造材が隠れています。
雨漏りの水がこの構造材に達すると木材は腐朽をはじめ、
木材の断面積が小さくなり構造耐力が減少していきます。
地震時などにより構造木材に強い力が加わり、
木材が割れたり裂けたり折れたりして、
建物が傾いたり、最悪、建物の倒壊にいたる危険があります。
バルコニーの防水の種類と耐用年数
バルコニー防水の種類は、主に次の3つが多く用いられています。
・FRP防水・・・・塗膜防水の一種でガラス繊維などで補強しポリエステル樹脂などを使用
・ウレタン防水・・塗膜防水の一種で塗料と同じウレタン樹脂を使用
・シート防水・・・工場で製作した塩化ビニル製のシートを敷設
一般社団法法人日本防水材料協会の部会研究部門は、
どの防水種類でも耐用年数は概ね15年程度と大きな違いは無いとしています。
バルコニー防水の建築基準法上の制約
市街地に建つ木造戸建て住宅は、
建築基準法22条が定める区域内に建っているケースが多くあります。
この区域内に建つ木造戸建て住宅の屋根は、
不燃材料で造るか葺かなければなりません。
階下に部屋があるタイプのバルコニーは屋根と見なされますので、
よってバルコニーは不燃材料で造るか葺かなければならないのです。
新築時、木造戸建て住宅のバルコニー防水工事において、
建築基準法22条を満たす最も簡便で安価な工法はFRP防水になります。
FRP防水を改修するときは、
ウレタン防水やシート防水なども、
建築基準法に定める大臣認定を取得した工法がありますので、
それらの工法を用いれば建築基準法を満たした改修になります。