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塗装工事費の詳細・内訳と工事費の目安

「先日、車の修理をしたら工事費用の内訳が
 部品代と作業費が別々に分けてあったので、
 とてもわかりやすく納得できました。
 塗装工事の見積書も材料代と作業料に分けることってできますか?」

と、塗装工事の見積書をお出ししたお客様からのご質問でした。

材料費と作業費に分けてお出しすることは可能です

材料費と作業費に分けて見積書をお出しすると、
お客様に誤解と不信を招かせる恐れがあります。

1.建物の形状や屋根勾配により外部足場の数量が変わります
2.使用する下塗り塗料は、塗装する材質や表面の劣化状況により異なります
3.使用する塗料とローラーの種類により、塗料の使用量が変わってきます
4.上の理由により、塗装作業に必要な人工(総職人数)が変わります

上のようなことから、塗装工事の場合は塗料種類や塗装する材質ごとに、
材料費と作業費を合計した材工価格を用いるのが一般的である理由です。

塗装工事に使用する材料

塗装に必要な主な材料を参考に記載します。


・足場材(メッシュシート)の損料(リース料)
・足場材の運搬費用
・養生用ビニルシート・養生テープ
・塗装用ローラー
・塗装用刷毛
・塗料(下塗り、中塗り、上塗り)

塗料や塗装する材質の違いにより工事費が違ってきます

塗装工事は塗料毎に塗装(作業)できる面積(一缶で塗れる面積)が違います。
下塗りに使う塗料は特にその違いが大きく、
シーラーとフィラーでは3倍近くまで違う場合があります。

厚めに塗らなければならない塗料と薄く塗ることのできる塗料とでは、
塗りの作業性も違ってきますので、一日に塗れる面積に違いが生じます。

僅かな面積であれば、作業性の違いは気にする程のことはありませんが、
面積が大きくなると作業費の違いは相当なものになります。

使用する塗料の違いによる作業費の高い安いは、
塗料代の違いと一緒に調整させていただくことが、
お客様に誤解を生じさせないわかりやすい方法だと考えます。


塗装工事の工事費内訳例

大手メーカーの水性シリコン塗料を使い、
一般的な窯業サイディングを波形模様で塗装した場合の、
1㎡あたりの塗料費と作業費を算出してみましょう。

材料費(塗料)


下塗り:パーフェクトフィラー 使用量0.7kg/㎡ 15kg缶=¥4,720
    1㎡あたりの塗料費用=¥4,720÷15kgx0.7kg/㎡≒¥220/㎡

中塗り:水性ファインSi 使用量0.1kg/㎡ 15kg缶=¥17,545
    1㎡あたりの塗料費用=¥17,545÷15kgx0.1kg/㎡≒¥117/㎡

上塗り:水性ファインSi 使用量0.1kg/㎡ 15kg缶=¥17,545
    1㎡あたりの塗料費用=¥4720÷15kgx0.7kg/㎡≒¥117/㎡ 


総塗料費=220+117+117=¥454


注1:塗料の使用量はカタログに記載されている数値の中央値で計算しています
注2:塗料価格はEC市場の送料を含めた最安値を採用
注3:水性塗料なので希釈は水道水を使用し0円で試算

作業費(国土交通省 公共建築工事の歩掛を使用)

国土交通省の公共工事標準歩掛に記載されている、
サイディング面の素地拵え(下地処理)作業の塗装工は0.028人/㎡、
EP塗料での塗り替え作業は塗装工0.054人/㎡です。

国土交通省が埼玉県で工事を行う際、
塗装工に支払う労務単価は¥28,700/人です。

1㎡あたりの塗装作業費は、
(0.033+0.054)人x¥28,700=¥2,497/㎡

国土交通省 公共建築工事標準仕様書 塗装工事
国土交通省 公共建築工事 下地調整参考歩掛り
国土交通省 公共建築工事 改修EP塗装参考歩掛り

塗装費の合計

塗料費+作業費=454+2,497=¥2,951/㎡になります。


注4:①建物やサッシ廻りの養生費
   ②塗装する箇所の材料の欠け、ひび割れ補修費
   ➂高圧洗浄費
   などは別途計上になります

塗料の価格を比較(参考)

塗料のグレードが変わると塗装費用は大きく変わります。
上塗り塗料のECサイトの販売価格の一例をご紹介します。



無機塗料A   12kg缶 ¥68,200 使用量0.125kg/㎡
無機塗料B   15kg缶 ¥31,900 使用量0.25kg/㎡
フッ素塗料C  16kg缶 ¥34,760 使用量0.13kg/㎡
ラジカル塗料D 15kg缶 ¥12,760 使用量0.15kg/㎡
シリコン塗料E 16kg缶 ¥20,900 使用量0.1kg/㎡

塗る道具によって作業性(塗れる面積)が変わります

よく使う砂骨ローラーとウールローラーを比較します。

砂骨ローラー(マスチックローラー)

多孔質のローラーなので塗料をたっぷりと保有できるため、
1回あたりの塗り膜厚を厚くすることが出来ます。

ひび割れが多いあるいは劣化が激しい塗装面の下塗り、
波形の模様を付けたい塗装の場合に向いています。

ウールローラーよりも塗料の使用量が多くなります。

ウールローラー

1回あたりの使用塗料量は砂骨ローラーの半分~1/3程度で、
ほぼ同面積を塗ることができます。

波形の模様が残らない光沢のある表面の塗装時に使います。

塗料種類ごとに材工価格(単価)を用いる理由

上で見てきたように、
塗装の材工価格(単価)は材料費と作業費を積み上げて作ります。

塗装する総面積と塗料缶容量の兼ね合いで廃棄せざるを得ない塗料が発生します。
また塗装する材質、塗装する面の劣化状態によっては、
標準使用量を超える塗料を使う必要があります。

そのような場合でも、
合理的に算出した材工価格を用いて工事費用を見積ることは、
お客様にとって不利では無いことをご理解いただけることでしょう。

また他塗料との価格差比較や他社見積書との比較検証が簡単にできます。

誤解や不信を招くことの少ない材工単価を用いる理由です。

塗装工事費の目安

塗料のカタログや塗料メーカーのホームページに掲載されている製品情報には、
使用する下塗り塗料、塗装する素材ごとに参考となる価格が紹介されています。
塗料メーカーによっては設計価格という言葉を使っている場合があります。

実際の価格(実勢価格)は、設計価格の80%前後がひとつの目安になります。
あくまでも目安ですので、それよりも安くなることもありますし、
様々な要因が重なり高くなることもありますことをご理解ください。

水性ファインSiのメーカー設計価格
弱溶ファインSiのメーカー設計価格

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ブログ執筆者:一級建築士 佐藤

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