窯業サイディングの塗り替え、メンテナンス
窯業サイディングとは?
窯業系サイディングはセメント質原料を主成分とし、繊維質原料と混和剤を混合して作られた、
防火性能に優れ強くてしなやかな板状の外壁材です。
日本産業規格(JIS A 5422 2019)に性能などが規定されています。
新築戸建て住宅の外壁材として75%以上に使用されており、
最近では店舗・倉庫・オフィスなどの中層の住宅以外の建物にも多く使用されています。
窯業サイディングが外壁材に重用される理由は、以下の特徴があるからです。
・耐久性に優れ、外部からの衝撃に強い
・防火性に優れている
不燃または準不燃材料であり防火構造、準耐火構造の大臣認定を取得している
・耐震性に優れている
大規模地震被災地の被害調査で、はく離・脱落がほとんど見られない
・耐風圧性
建築基準法に定める設計風圧力に対し、外装材が破損・破壊しない建材
・防水性
窯業系サイディング自体の防水機能と、通気構法による防水機能により、
屋内側への雨水の浸入を二重に防ぐ仕様
美観と性能を保つためにはメンテナンスが重要
建物の外壁は太陽光(紫外線)、風雨雪、気温の変化等、
過酷な条件下にさらされています。
サイディングは、その表面に耐候性のある塗装が施され、
サイディング間には防水用のシーリング材が施工され建物を保護しています。
が、塗装及びシーリング材は永久的なものではありません。
そのため、年月を重ねると様々な経年劣化が進み不具合が発生します。
美観と性能を保つためには、定期的なメンテナンスが重要です。
定期的かつ早目のメンテナンスは、
サイディングのみならず建物自体の老朽化を遅らせ、
資産価値の維持にもつながります。
日常点検
日頃から建物の外壁を目視にて点検を行いましょう。
点検の結果、異常を発見したときには、専門家にご相談しましょう。
特に高所の作業となる場合は危険ですので、DIYはお薦めしません。
一般的なメンテナンスのスケジュール
サイディング表面に細かいひび割れが生じたり、
色落ちしたり、汚れが目立つようになるのは、
一般的なシリコン塗料で7~8年程度、
パーフェクトトップのようなラジカル塗料では10年前後です。
シーリングも塗膜と同程度に劣化は進みます。
外部足場を必要とする工事ですので、
外壁の塗装とシーリング工事は、一緒に行うと経済的です。
塗装を繰り返すと、メンテンナンスサイクルは次第に短くなります。
高耐久・高耐候の塗料やシーリング材を使用して、
メンテナンスする回数を減らすとライフサイクルコストは下がります。
主な点検項目とチェック方法
・サイディングのひび割れ、破損
サイディングにひび割れ(クラック)が発生していないか、目視点検します。
・シーリング目地の剥離、亀裂
サイディング目地のシーリングが剥離したり、亀裂が生じていないか目視点検します。
・サイディングの反り、うねり
サイディングに反りやうねりが無いか、目視点検します。
・褪色(チョーキング)
サイディング表面を指で軽くこすります。
こすった指が白く現象はチョーキングと言い、
塗装が落ちているサインですので、塗り替え時期になります。