モルタル壁のひび割れを補修して貰えますか?
外壁塗装の見積依頼を受け建物調査に伺った際、
モルタル外壁にやや幅の広いひび割れがあり、お客様がそのことを心配されていました。
モルタル外壁は家の構造耐力に直接関係する部位ではありません。
地震などの際も、ひび割れを原因として、
家が倒壊に至ることは非常に少ないことをご説明しました。
外壁塗装の前には、大きなひび割れはしっかりと修繕を行い、
ひび割れに強い最良の塗料についてもご説明しました。
外壁のモルタル部分は非構造部です
一般的な木造2階建て建物の外壁モルタル部分は、
建築基準法上の構造耐力壁として設計することは非常に稀です。
モルタル部分を耐力壁として設計しなくても、
筋交を増やしたり、構造用合板や各種ボードを使用することで、
必要となる耐力壁量を簡単に確保できる為、非耐力壁とします。
耐力壁として扱う場合には、
国土交通大臣認定を取得したラス(金属メッシュ)の使用が必須になります。
このようにモルタル部分は非構造部ですので、
モルタルひび割れは建物全体の構造には何ら影響しません。
ひび割れは外壁自体の耐久性を弱めます
家全体の構造には問題無いと書きましたが、
外壁自体の耐久性には影響が及びます。
外壁の構造部に雨水が達すると構造耐力が減少したり、
雨水が染み込むことでモルタルの剥落や落下の危険が高まります。
モルタル外壁のひび割れ補修・修繕は、
剥落落下や外壁全体の耐久性を考慮して必要な修繕を行いましょう。
日本コンクリート学会の
モルタル外壁のひび割れ処理例
モルタル外壁に出来たひび割れは、その幅により修繕方法が違ってきます。
以下に示す修繕方法は、
建築学会やコンクリート工業会が定める
構造部のコンクリートのひび割れを修繕する時の補修方法ですが、
非構造部のモルタル外壁のひび割れ補修も同様の方法が適当と考えます。
(1)ひび割れ幅が0.2mm以下
シーリング材、塗膜弾性防水材や、
ポリマーセメントペーストなどでひび割れを表面被覆処理します
(2)ひび割れ幅が0.2mm~1.0mm
エポキシ樹脂注入材、アクリル樹脂系注入材、
注入用ポリマーセメントなどをひび割れに注入します
(3)ひび割れ幅が1.0mm以上
ひび割れに沿ってモルタルをカットし、
カットした部分にポリマーセメントモルタルや、
可とう性エポキシ樹脂を充填します
(4)ひび割れ部廻りのモルタルに浮きが認められるとき
モルタルの浮きが小さいときは接着薬液注入します。
浮きが激しい場所は、浮いている部分全体を撤去して、
ポリマーセメントモルタルなどで断面を再形成します。
モルタル外壁に使用する塗料種類
モルタル外壁はひび割れが発生しやすい建築材料になります。
よってひび割れ挙動に追従するタイプの弾性塗料あるいは微弾性塗料が向いています。
エイチペイントは、高耐久高規格の塗料を推奨しています。
無機塗料の中でも特に高耐候で、
弾性塗料同等以上の柔軟な塗料を二つご紹介します。
コンクリート外壁、窯業サイディング(一部を除く)にも適した塗料です。
1.変性無機塗料~スーパーセランフレックス
・期待耐用年数24~25年の高耐候
・従来の変性無機塗料の2.5倍以上伸びる柔軟性
・柔軟型の塗料でありながら超低汚染性
・防カビ・防藻性
・上塗り塗料の中では最高クラスの透湿性
・・・・だから窯業サイディングでも使用可
2.塗るタイル~タテイル
・期待耐用年数30年の超高耐候
・5Hの高硬度で傷や汚れから建物を保護
・無機と有機のハイブリッドによるフレキシブル性
・親水性塗膜によるハイドロクリーニング効果
・高い難燃性
・防カビ・防藻性