タイル調サイディングに合う塗料
二丁掛グラニットタイル模様の窯業サイディングを張った戸建て住宅でした。
「今の模様・デザインが好きなので、外壁の雰囲気を変えたくありません。
意匠を変えない塗装をおねがいします。」
とのご要望でした
そこで、無機塗料のクリヤ―塗装仕上げをご提案しました。
窯業サイディングは熱膨れに注意
熱膨れとは、水蒸気の圧力によって塗膜が風船のように膨れ、
小さな気泡として塗装表面に現われることを言います。
この現象が起きるのは、2つの要因が重なったときです。
一つは、窯業サイディングが水分、湿気を一定以上保有することで生じます。
窯業サイディングは水を含みやすい素材です。
外壁と内壁の間に溜まった湿気や水分を、サイディング板裏面から吸収したり、
表面にできた小さな傷や隙間から入り込む雨水などを含むようになります。
水分を含んだサイディングに直射日光があたると、
水分は水蒸気となり外気に向けて蒸発しようとします。
しかし、透湿性の無いあるいは透湿性が低い塗料を使用した場合、
水蒸気は外気に向け蒸発することが出来ません。
外気に向け蒸発できない水蒸気圧によって塗膜が膨らむ現象が、熱膨れです。
熱膨れを起こす要因の二つ目は、透湿性の無い塗料を使用することです。
熱膨れはサイディング板の反りにも繋がります
熱膨れが生じているサイディング表面の温度は、
水蒸気が外気に発散されなければ、どんどん上昇します。
一方、サイディング裏面の温度は、表面の温度ほどには上昇しません。
このサイディング表面と裏面の温度差がサイディング板が反る原因にもなります。
熱膨れを引き起こす塗料とは...
では、熱膨れを引き起こす窯業サイディングに向かない塗料はどのようなものでしょうか。
・弾性塗料
・フッ素塗料
・無機塗料
上に書いた3種類の塗料は透湿性が低いため、
一般的には、窯業サイディングの塗装には向いていない塗料です。
窯業サイディングに使用できる塗料は日進月歩で開発されています。
塗料カタログや塗装業者さんにご確認をお願いいたします。
今回比較検討した塗料
1.日本ペイント 「ピュアライドUVプロテクトクリヤー」
耐候性の公表値なし
1000W/㎡のメタルハライドランプによる促進耐候性試験の結果、
600時間(実年数換算約7年程度)で変状が表れるとカタログに記載あり。
2.アステックペイント 「スーパーSDクリヤー無機JY」
耐候性20年、メーカー保証10年
3.プレマテックス 「タテイル美観」
耐候性30年 メーカー保証15年
耐候性、塗料性能、コスト、仕上りなどを総合的に勘案し、
プレマテックス社タテイル美観をお薦めしました。
タテイル美観
タテイル美観は、
タテイルの耐候性(期待耐用年数)30年の性能を保持したまま、
透明性をプラスした窯業サイディング専用の無機塗料クリヤ―タイプです。
タテイルは耐候性(期待耐用年数)30年の無機塗料です
・ガラスと同じ石英を原料とする合成樹脂の採用で超耐候性を実現
・高硬度のため塗膜に傷がつきにくい
・無機50%と有機50%のハイブリッドのため、伸縮性に富んでいる
・親水性塗料のためハイドロクリーニング効果により超低汚染性である
・ガラス成分が含まれるため燃焼し難い(難燃性)
・防藻・防カビ性が高い