シーリング工事は塗装の前と後では、どちらが良いですか?
シーリング工事とは?
外壁にサイディングが張られている場合、
サイディング板の突き合わせ部分に目地(隙間)が出来ます。
この目地をゴム様の柔らかい粘性のあるシーリング材で埋めて、
雨漏りや隙間風の発生を防ぎます。
シーリング材は年月が経つと硬くなり、ひび割れや切れ、剥離が生じます。
外壁塗装の際は古いシーリング材を撤去し、
新しいシーリング材で再び目地を埋める工事を行うのが一般的です。
シーリング材は施工する場所や部位ごとに適した種類があります
シーリング材は建築材料の種類や相性に合ったシーリング材を使わないと、
割れや切れあるいは剥がれが発生しやすくなります。
またシーリング材が外壁を汚したり、
シーリングのブリージング(成分溶出)を早期に引き起こします。
使用する場所や目的に合った適切な成分・種類のシーリング材を選ぶことは、
建物を長持ちさせるためにはとても重要なことです。
戸建住宅のサイディング目地は変成シリコンが多く使われます
1.変成シリコン系
耐熱性(-30度~90度)に優れ、シーリング目地周辺の非汚染性にも良好な特性があります。
また、柔軟性がありムーブメント(材料の伸縮や振動)の大きい金属類への使用も可能で、
シーリングの上に塗装することも出来ます。
2.シリコン系
耐熱性(-40度~150度まで)と耐候性に最も優れたシーリング材で、
ガラス類との接着性にも優れた特性があります。
一方、シーリング目地周辺を汚染させてしまう弱点があり、
塗装することも出来ません。
3.ポリウレタン系ノンブリードタイプ
耐熱性、耐候性は変成シリコン、シリコンよりも劣りますが、
塗装後の表面やシーリング目地周辺の非汚染性(ノンブリード)に優れていて、
シリコーン系と逆の性質を持ちます。
4.ポリサルファイド系
耐熱性(-20度~80度)に優れ、表面にゴミ、ほこりが付きにくい性質があります。
表面の仕上性が良好で接着性も安定していますので、
タイル目地や石目地によく用いられます。
一方、高温高湿時に発泡することがあり、
また柔軟性があまり無いのでムーブメントの大きい金属類への使用には適しません。
1成分型と2成分型
1成分型と2成分型の違いは、
基剤(主剤)と硬化剤が混合された状態の製品(1成分型)か否(2成分型)かです。
現在は以前と異なり、1成分型と2成分型で耐候性や耐久性の違いはほとんどなくなりました。
施工業者の多くは、2成分型を選択しますがその理由は、使い勝手の良さによるものです。
1成分型の特徴
基剤(主剤)と硬化剤が混合された状態でカートリッジに封入されています。
基剤と硬化剤を撹拌する手間が必要ないので、誰でも手軽に使うことが出来ます。
一度空気に触れたシーリング材は硬化しやすくなります。
カートリッジ内に残ったシーリング材は長期保管は難しくなります。
使い切りが望ましいタイプです。
2成分型の特徴
基剤と硬化剤を別々の缶で保管し、
その日のシーリング作業に見合った適量を作業開始前に混合撹拌して使います。
作業する日の温度や湿度に合わせて硬化剤の量を加減し、
硬化までの時間を調整することが出来ます。
一方、硬化剤が少なすぎたり、
撹拌が不十分だと硬化不良を起こします。
経験と知識を必要とするプロ向けのシーリング材です。
シーリング工事は塗装前あるいは塗装後、どちらが良い?
シーリング工事は塗装工事の前、塗装工事の後のどちらに行うのが良いのでしょうか。
先打ちシーリングの特徴
シーリング工事を行った後に外壁と一緒にシーリング目地も塗装します。
シーリング目地は塗膜で保護されて耐久性の向上につながります。
一方、シリコン塗料、フッ素塗料や無機塗料は塗膜が比較的硬いため、
シーリング目地の伸縮に対する柔軟性が足りず、
シーリング上の塗膜にひび割れが発生しやすくなります。
後打ちシーリングの特徴
外壁塗装が完成した後にシーリング工事を行うので、
シーリング材と塗装の色や仕上りを変えることができます。
シーリングの上の塗膜はひび割れが生じやすい場所です。
シーリング目地は塗装しないので塗膜ひび割れは生じません。
一方、塗膜による太陽光などからの保護はありません。
耐候性や耐久性の低いシーリング材を使うと
シーリング自体のひび割れや剥離が早まることがあります。
エイチペイントのお薦め
耐候30年のオートンイクシード(製品名)を用いた、
後打ちシーリングを推奨しています。
オートンイクシードは、ウレタン成分のノンブリードタイプです。
しかしながら可塑剤を添加せず、
独自開発した特殊高耐久ポリマーの「LSポリマー」を配合することで、
耐用年数30年という耐久性・耐候性を実現したシーリング材です。
可塑剤は、シーリング材や塗料に柔軟性を持たせる添加剤の一種です。
可塑剤は時間が経つと主剤から分離し次第に表面に涌出してきます。
可塑剤が減少するとシーリング材や塗料は硬くなり、ひび割れ、切れ、剥離が生じます。