外壁塗装 Q:我が家の外壁シーリングの切れって早くありませんか?一級建築士の判断は・・・
A:早い方です。
シーリングが3面接着で施工されていたことが原因です。
外壁塗装の見積依頼をくださったK様宅の建物調査に伺ったときのご質問です。
弊社技術者が外壁を拝見し、シーリング材の一部を撤去して思い当たる原因をお話しさせていただきました。
外壁サイディング目地は動きのある部位ですので、シーリングは2面接着にするのが基本ですが・・・
外壁サイディングは熱伸縮や振動による動きがある部分ですので、その目地シーリングを3面接着で施工するとシーリング材が動きに付いていけず、ひび割れたり接着部分から切れて剥がれたりします。
動きのある目地部分のシーリングは2面接着で施工し、シーリング材が素材(外壁材)の動きに追従できるように施工することは鉄則です。
サッシュと躯体の間にできる目地、タイルや石張りの伸縮目地なども素材の動きのある場所になりますますので、サイディング目地と同様に2面接着で施工すべき部位になります。
特に伸縮の動きが大きい金属類の目地部分は、2面接着の原則を守らないと雨漏り発生の原因箇所となります。
一方、コンクリート躯体の水平打継ぎ目地などのように動きの少ない固定目地部のシーリングは、3面接着で施工しても問題ありません。


今回調査した建物の外壁サイディング目地シーリングは、新築時に3面接着で施工されていたため、目地切れが早まったと考えます。

目地底にボンドブレーカーを貼って3面接着を2面接着に改善しました。

ハットジョイナーを使用していないサイディング張りの場合、3面接着を避けるにはバックアップ材を挿入したりボンドブレーカーを目地底に張ったりする必要がありますが、一定水準以上のシーリング強度を発揮するには適切な目地深さを確保することも重要になりますので、バックアップ材の厚さにも注意が必要になります。