シーリングの種類と高耐久シーリング

外壁材同士が合わさる部分や外壁材とサッシの合わさり目にできる隙間を埋める材料がシーリングです。
シーリングはゴムのように弾力があり、伸び縮みする材質で作られています。

シーリング工事は隙間部分にシーリング材を充填し、
防水性あるいは気密性を高める工事で、雨漏りを防ぐことに繋がります。

シーリングとコーキングは何が違うのですか？

シーリングと呼ぶ職人がいる一方で、コーキングと呼ぶ職人もいます。
二つは同じ工事のことで、どちらを使っても間違いではありません。
油性コーキングが外国から日本に輸入されたとき、コーキングが一般的でした。

その後、JISや公共工事標準仕様書などで「シーリング工事」
という表現が使われるようになり、
シーリングが次第に多く用いられるようになりました。

JIS（日本産業規格）の用語の定義では・・・

JISの中の用語の定義には以下のように書いてあります。

シーリング材

構造体の目地、間げき（隙）部分に充てん（填）して防水性、気密性などの機能を発揮させる材料。
不定形の状態で用い，硬化又は乾燥することで，接着力及び凝集力によって目地をシールするための材料。

JISからコーキングという用語がなくなりました

JISの用語の定義から油性コーキングが消えたのが2000年です。
JISから消える前の用語の定義を簡潔に表現すると、
「ペースト状のシーリング材をコーキング材と呼ぶ」でした。

使用場所、使用目的によるシーリング材の選定

シリコン系、変成シリコン系、ウレタン系、アクリル系などシーリング材料にも多くの種類があります。
使う場所、求める性能、耐久性、耐候性、弾性、変動の多少などの条件に合わせて、
最適なシーリング材料を選び工事を行います。

〇シリコン系

お風呂やキッチンなどの水まわりで使われるシーリング材
として最も普及しています。
耐久性、耐候性、耐熱性、撥水性に優れています。

〇変性シリコン系

シーリング材の表面に塗装ができるため、主に外壁で使われるシーリング材です。
水まわりでも使用することができる万能なシーリング材ですが、
シリコン系と比べると耐久性が劣り、ウレタン系に比べて密着性が劣ります。

「シリコン系」と「変成シリコン系」は、
シリコンという単語がはいっているので、
同じような性質と思う人が多いですが、原料の樹脂が違います。
変性シリコン系はウレタン系がグレードアップしたシーリング材です。

〇ウレタン系

主にコンクリートのひび割れの補修や木材に使用します。
密着性に優れ、硬化すると弾力性が豊かな仕上がりとなります。
その反面、紫外線に弱いので、
ウレタン系シーリング材使用の場合は上からの塗装が必要となります。

〇アクリル系

1980年以前の外壁シーリング材として非常に普及していました。
耐紫外線は比較的高いのですが、
動きに対する耐久性が低く、
経年による硬くなりひび割れが起こることから、
現在ではほとんど使用されません。

〇油性

コーキング材の草分けです。
酸素で硬化しますが、表面皮膜が貼ると内部は硬化しません。
マスティックタイプを言われており、
ひび割れの追随性が高いため昭和時代の防水には欠かせませんでした。
また、原料は天然の亜麻仁油でCO2の発生の抑制になります。
ただ、動きに対する耐久性が低く、
経年によるひび割れが起こったり周辺への油汚染が多少でたりします。
以上のことから使用量は減ってきています。