剥くり、起り
屋根、天井、梁などが上に向かって反っていることで、凸に膨らむ状態のことを言います。大空間の屋根、天井(上階の床)、長い梁材は中央に向かって徐々にたわんできますので、上向きに反るように取り付けることがしばしばあります。実際の荷重の掛かり具合を考えた場合、たわみ対策としては有効な方法です。また大空間では水平状態のものは、目の錯覚によって中央部が下がって見えますので、剥くりをつけておくことで、見た目を水平にする効果があります。天井や梁が中央部にかけて、たわんだ状態ですと圧迫感が生じ、水平に見えないことで不安になることがありますので、安心感を与える効果があります。それゆえ寺社などの大空間では鴨居にも剥くりを付けることがあります。 |