SOP塗装って何ですか?
外壁塗装の見積をご依頼くださったお客様から、
「建築設計図面の外部仕上表にSOPって書いてあります。
何のことなのか教えて貰えますか?」
とご質問がありました。
SOPは合成樹脂調合塗料のことです
英語で合成樹脂塗料は、
Synthetic resin Oil Paint です。
英語つづりの頭文字のS,O,Pを取って、
合成樹脂調合塗料をSOPと表記します。
設計図面や仕上表などの限られたスペース内で、
塗料の種類が一目でわかるように、
SOPと略記号を使うのが一般的です。
合成樹脂塗料とはニュアンスが違います
合成樹脂調合塗料は、
アルキド樹脂(フタル酸樹脂)と油成分を混ぜ合わせたワニスに、
着色顔料を混ぜて作ります。
合成樹脂塗料は、
アクリル、ウレタン、シリコンなどの
化学的に生成された高分子化合物である樹脂を主成分とする塗料です。
しかしながら各塗料メーカーは、
合成樹脂が含まれた塗料は全て、
合成樹脂塗料として扱っているようです。
他の塗装に関する略記号
EP、AEP、OP、OS、WPなどがあります
EP:合成樹脂塗料のうち水性塗料のことです
Emulsion Paint(エマルションペイント)の略です。
エマルションとは、
油と水が極小の粒で交じり合った状態のことを言います。
エマルション状の身近なものは、
化粧乳液、マヨネーズ、バターなどがあります。
合成樹脂塗料の中で水性の塗料のことをEPと表記します。
合成樹脂塗料は一般的に艶のない塗料ですので、
艶あり合成樹脂塗料をEPーGと表記し区別することがあります。
AEP:EP塗料のうちアクリル樹脂を使用した塗料
アクリルの英単語はAcrylicです。
アクリルを用いた水性の合成樹脂塗料は、
Acrylic Emulsion Paint
となり、AEPと表記します。
耐候性や耐久性が多少劣っても問題が少ない、
内装の塗装に使用することが多い塗料です。
OP:油性塗料=溶剤系塗料
油性塗料は、水ではなく溶剤で希釈する塗料のことで、
英語ではOil Paintと表記します。
油性と聞くとシンナー臭など、
ご心配なされる方がいらっしゃいます。
そこで弱溶系塗料という名称を使うことで、
負のイメージを払拭しています。
OS:オイルステイン
木の中に含浸して着色する塗料で、表面に塗膜は作りません。
OSは、杢目を奇麗に見せることが出来る長所がある一方、
水に弱いという弱点があります。
家具などは、OSで着色した後にウレタンクリアーで膜を作り、
水などから木材表面を守る仕上げを行うのが一般的です。
WP:木材保護塗料
屋外で使われている木材の保護を目的とする塗料です。
樹脂および着色顔料に加え、
防腐・防カビ・防虫効果を有する薬剤を入れます。
国土交通省や建築学会が発行している
建築工事標準仕様書の中で
これらの略記号は使われています
SOPやEPなど上に記した略記号は、
・国土交通省発行の「公共建築工事標準仕様書」
・建築学会発行の「建築工事標準仕様書・同解説JASS18塗装工事」
の中で使われています。
建築技術者にとっては誰もが知っている標準語と言って良いでしょう。
建築学会 「建築工事標準仕様書・同解説JASS18塗装工事」
https://www.aij.or.jp/books/productId/590058/
塗料に用いる合成樹脂の種類
塗料に用いる合成樹脂は主に、
・アクリル樹脂
・ウレタン樹脂
・シリコン樹脂
・フッ素樹脂
・無機有機ハイブリッド
があります。
それぞれの合成樹脂の違いや特徴などは、
以前に書きましたブログをご参照ください。