外壁や屋根の塗装の役割とは?
外壁や屋根の塗装は、「外壁や屋根をきれいに塗り直すだけでしょ」
と思われている方が多くいらっしゃいます。
塗装がなぜ必要なのか、いつ塗装を行えば良いのか、
塗料にはどんな種類があるのかなど、
塗装の基本的なことを少しご紹介したいと思います。
1.塗装の役割
耐久性向上
塗膜が外壁基材を保護し、
風雨、紫外線、二酸化炭素などの悪影響をブロックし、
建物の寿命を伸ばします。
美観
外壁塗装を行うことで、新築同様の外観を取り戻し、
既存の外壁とは異なる色を選び新しい雰囲気にすることも可能です。
塗装することで見栄えが大幅に向上します。
断熱、遮熱
遮熱効果を高めた塗料を使用することで、
室内の温熱環境を改善することができます。
真夏の日光による熱を反射遮断し、室内の温度上昇を軽減させます。
防汚機能
外壁塗装に用いる塗料の多くは、防汚性を高める添加剤を含んでいます。
さらに親水剤を添加した塗料の場合は、
セルフクリーニング機能により、塗膜表面に付着した汚れを浮き上がらせ、
雨水と一緒に洗い流しすことも行ってっくれます。
2.塗装を行うタイミング
一般的な住宅の外壁は、
使用する塗料の種類にもよりますが、
おおよそ7年~13年程度で塗り替えが必要になります。
以下の症状が一つでも当てはまれば外壁塗装をご検討する時期です。
外壁セルフチェック
- 壁を手でなでると白い粉がつく※チョーキング現象
- 壁に亀裂や剥がれがある
- 色が変色、退色してきている
- カビや藻が発生している
- 汚れが目立ちやすくなっている
※チョーキング現象
外壁は1番外側の表面の塗装保護膜によって守られています。樹脂や添加剤により塗膜は安定しているのですが、紫外線などにより劣化が進むと樹脂や添加剤が分解されます。すると塗料の中に含まれている色の成分である顔料が白く粉状になり、塗膜表面がチョーク様の白い粉が噴いた状態をチョーキング現象と言います。
–屋根と外壁は同時に塗り替えがおすすめ︕–
「屋根だけ」や「外壁だけ」の塗り替えの場合、
一見費用が安く抑えられますが数年後にもう一方も、
ということになると足場代が2度必要になります。
足場代は標準的な戸建て住宅の場合、約15~20万円かかります。
屋根は直射日光に晒される場所で劣化が進みやすく、
屋根と外壁を一緒に塗装する計画を立てることがコスト削減につながります。
3.塗装に用いる塗料の分類
塗装に使用する塗料の分類例をご紹介します。
(1)油性塗料と水性塗料
かつて油性塗料と呼んでいた塗料は、
希釈に用いる液を溶剤と呼ぶため溶剤系塗料と表現することが一般的になりました。
塗装用シンナーで希釈するものを弱溶塗料、
工業用シンナーで希釈するタイプを強溶塗料と言います。
溶剤が強くなるほど塗膜が強くなり耐久性、耐候性が高くなりますが、
シンナー特有の臭いが発生する為、
一般の戸建住宅の外壁、屋根の塗装で使用することは少なくなりました。
多くの場合、戸建住宅の外壁、屋根の塗装では水性塗料を使い、
外部にある鉄製部分などの塗装には弱溶剤塗料を用いる傾向にあります。
(2)合成樹脂の違いによる分類
戸建住宅でよく使う代表的な塗料を、合成樹脂成分別で分類したものです。
下に向かうに従い塗料の耐久性・耐候性は向上し、価格は高くなります。
- アクリル樹脂 耐久性は概ね5~8年
- ウレタン樹脂 耐久性は概ね7~10年
- シリコン樹脂 耐久性は概ね10~13年
- フッ素樹脂 耐久性は概ね15年~20年
- 無機系 耐久性は概ね15年~25年
(3)ラジカル制御型塗料
~日本ペイントのパーフェクトトップ~
塗料に含まれる酸化チタンは、
紫外線を受けるとラジカルという物質を生成します。
ラジカルは塗料内の樹脂を分解し塗膜の劣化を促進する迷惑な物質です。
このラジカルの生成を抑制する成分を含んだ塗料を、
ラジカル制御型塗料と呼びます。
日本ペイントのパーフェクトトップは国内初のラジカル制御型塗料です。
アクリル樹脂塗料でありながら、
耐久性、耐候性はシリコン塗料を超えます。
最上級のパーフェクトセラミックトップG(ラジカル制御型無機系塗料)に至っては、
同社のフッ素樹脂塗料よりも安価でありながら、
無機系塗料同等の優れた耐候性を示す実験結果を有している塗料です。